学校における教育活動・教育課題について,①教科の実践研究や授業改善,②学級経営(若手先生向けの学級づくりなど),③今日的教育課題(小中連携など)の視点から,毎年10ほどの委員会がテーマを立てて研究・開発を行い,年度末に研究報告書としてまとめています。
A4 判,毎年3〜4 月発行
| 発行 | 随時 |
|---|---|
| 対象 | 小学校・中学校の先生方など |
公開日:2026年3月30日
1人1台端末やクラウド環境といったデジタル学習基盤を活かした授業改善は重要なテーマであり、各地で様々な実践が試みられている。また、中央教育審議会答申が示す「令和の日本型学校教育」の実現へ向けて、個別最適な学びや協働的な学びの一体的な充実を目指した授業実践が各地で展開されている。
学習者主体の学びには教師の意図的な授業デザインが欠かせず、特に児童生徒に対して教師がどのようなフィードバックを与えるか、児童生徒同士が互いにどのようにフィードバックを与え合うかは学びの深まりにも直結する重要な視点である。
本研究では、どのような場面やタイミングでフィードバックを行うことが有効なのか、どのような手段を用いることが効果的なのかについて事例を基に検討することとした。現職の小・中学校の教員6名に研究員を委嘱し、研究目的を達成するためのテーマを各自が設定してフィードバックの工夫および授業デザインを行った。(東研研究報告 No.379)
公開日:2026年3月30日
理科の観察・実験は、児童・生徒の興味・関心を高め、科学的思考を育てるうえで重要な学習活動であるが、観察・実験には危険が伴うため、安全への配慮が欠かせない。しかし近年、小・中学校では若手教員の増加に伴い、理科の観察・実験の技能の低下が指摘されている。観察・実験中の事故やヒヤリ・ハットの事例も見られ、安全指導のあり方が課題となっている。
本研究報告書は、こうした現状をふまえ、理科の観察・実験の安全指導を「ダメ・禁止」中心から、児童・生徒が自分で考えて行動できる指導へと見直そう、というメッセージを伝えている。安全を内容面・指導面・環境面の3つの視点から多面的に確認し、ゲーム感覚の活動やICTの活用を通して、安全への意識を自然に高めるものである。安心して挑戦できる雰囲気を大切にしながら、主体的に学ぶ力を育てる実践を提案する。(東研研究報告 No.378)
公開日:2026年3月30日
本研究委員会では令和2年度から「『主体的な学び』を実現する算数・数学の授業づくり」を研究テーマに、毎年度、新たなアプローチから研究に取り組んできた。
本年度は、これまでの研究を踏まえ、「主体的に学ぶ」ためには問題の解決や学習過程において振り返り「問い」をもち、その「問い」を基に次の段階に進むことが大切であり、そこに問題を解決したり学習を進めたりする意欲が喚起され、高まると考え、副主題を「教材による問いの本質と連続性を踏まえて」とした。つまり、より教材の本質を追究できるような「質の高い問い」をもたせること、主体的に問題に関わり解決できるような「問いをつなぐ」こと(問いの連続性)を考え、授業づくりのため 6 つの手立てを講じて授業実践に取り組んできた。
小学校4事例、中学校2事例の計6事例を取り上げた。(東研研究報告 No.377)
公開日:2026年3月30日
2007(平成19)年度から特別支援教育が制度として開始されてから20年近く経過した現在、全国の学校で、障害のある子どもを含めた全ての子どもに分かりやすい授業づくり、学級経営などに取り組んでいる。筆者がこれまで訪問した教育委員会や学校であれば、これは別の学校でも参考になる取組だと思ったり、知ってもらう必要がある取組だと感じたりすることは数多い。しかし、どのようにその課題を解決すればいいのだろう、と悩んでいる学校現場が多いことも事実である。
本研究では、特別支援教育に関する課題意識をもつ教育委員会や学校に対して、特別支援教育の専門家である筆者が定期的に訪問し、障害のある子どもなどを含めた授業づくり、特別支援学級や通級による指導に関する特別の教育課程編成等への助言を実施した。また、その際に、授業づくり等に必要な「特別支援教育の視点」を教員が理解し、実践につなげることを意識した助言を行った。
さらに、学校現場でも実践しやすい実践研究の手法の一つである「プレポストデザイン」を用い、広く共有できるような工夫を図った。(東研研究報告 No.376)
公開日:2026年3月30日
これまで、外国人児童への指導は、日本語能力の不足を補うことに主眼が置かれ、できるだけ早く日本語環境に適応させることが望ましいと考えられがちであった。しかし、母語の使用を制限し日本語の習得のみを急ぐ指導は、母語と第二言語のいずれも十分に伸びない、いわゆるダブルリミテッドの状態に陥る可能性があることが指摘されている。2025年文部科学省は、「文化的言語的に多様な背景を持つ外国人児童等のためのことばの発達と習得のものさし(以下、『ことばの力のものさし』)」を導入した。これは、母語での思考力や経験を含め、多角的・包括的に捉えようとする点に大きな特徴があり、今後の教科指導を考えるうえで重要な視座を提供してくれる。
研究員4名が「ことばの力のものさし」の考え方を基盤とし、子どもの実態把握、その実態把握に基づく授業実践について検討し、ねらいや流れ、方法を実践事例としてまとめ、その意義を検討する。
教科は、言語能力を育成する中核となる教科である国語科、また教科特有の学習用語の多い、算数科と理科の3教科に焦点を当てて検討することとした。また、各教科、発達段階での子どもの様子や指導の違いが見えるように、抽象的な概念操作ができるようになる前と後の低学年と高学年の事例を配置した。(東研研究報告 No.375)
公開日:2026年3月30日
日本の子どもの体力は、主に学校で行われてきた「体力・運動能力調査」「新体力テスト」などによって継続的に測られてきている。スポーツ庁がまとめた調査データによると、子どもの体力は1985(昭和60)年頃から長期的な低下傾向が見て取れる。その中でも、コロナ禍の影響で体力の状況を示すデータは大きく下降している。
さらに、体力低下の状況は、コロナ禍の影響が現れる以前の2018(平成30)年時点ではすでに低下傾向が示されており、「子どもの体力は低下している」という認識が広まっている。体力低下は、「肥満や生活習慣病などの健康面」「意欲や気力の低下」といったものへの影響が危惧される。
体力向上を教育課題の一つとして捉え、その改善向上をねらいとして取組を強化している自治体や学校が増えてきている。その具体的な取組に焦点を当て、「体力向上」を目標に掲げ、成果を上げている全国各地の事例を紹介することで、課題解決に向けた各学校の実践の参考にしてほしいと考えた。(東研研究報告 No.374)
公開日:2026年3月30日
本研究委員会は、学校が本来持つ「ひと」の力の豊かさを再認識し、誰もが「やりがい」と「生きる喜び」を実感できる経営の在り方を追求するため、現場の教員6名の研究員でその本質を探り出した。
日本の学校教育において、高い学力の一方で、自己存在価値や自己効力感の低さが課題として横たわっている。私たちはこの問題に対し、他者との関係性を深める「非認知能力(SEL)」の育成こそが、学校組織を活性化させる鍵であると結論付けた。
私たちがいま目指すべきは、互いの力を認め合い、他者への貢献を通して自らの価値を高める「幸せの往還」を生み出すことにある。教育関係者は、子どもと教職員のウェルビーイング実現のため、強い決意を持って「心豊かな環境づくり」へと邁進し続けなければならない。(東研研究報告 No.373)
公開日:2025年3月24日
学習においては、新たな事象によってそれまで児童生徒がもっていた既習の概念が修正されたり更新されたりする際に、「なるほど」という納得や「確からしい」という発想が生徒の思考過程の中で生じていると考える。
本研究では、この「なるほど」をキーワードとして、児童生徒が自らの学習を振り返り、学習内容を納得するなかで自身の資質・能力を再認識し学習内容を再構築していく過程に焦点を当て、「なるほど」につながる観察実験や指導法の工夫など、探究的な学習を充実していくために取り組んだ中学校の先生方の実践を5事例紹介している。
これらの事例には、そのまま実践できる教材や日々の授業で取り入れることのできる授業展開などが紹介されている。これらが多くの先生方の日々の教育活動の一助となれば幸いである。(東研研究報告 No.369)
公開日:2025年3月24日
1人1台端末やクラウド環境といったデジタル学習基盤を活かした学習者主体の学びへ向けた授業改善は重要なテーマであり、各地でさまざまな実践が試みられている。しかしながら、現在報告されている実践の多くは、どのような実践を行ったのかという結果の報告がほとんどであり、どのような過程を経てきたのか、教師はどのような足場かけを行ってきたのか、というプロセスまで詳細に分析されているものは多くはない。これらのプロセスが可視化されることはデジタル学習基盤を活かして学習者主体の学びを実現したいと考える教師にとって参考になると考えられる。
本研究の取りかかりとして、学習者主体の学びとはどのような学びなのかという目線を合わせるために、「課題(めあて)の設定」など6項目からなる「学習者主体のスケール」を開発した。また、児童生徒の学びの自走へ向けてどんな足場を用意すればよいのか、その足場はいつ外すのかといったことを捉えるために、「認知的徒弟制モデル」を用いた。そして、どの時期に、どのような支援を行ってきたのか、その際の留意点は何かについて各研究員の実践で具体的に検証した。(東研研究報告 No.371)
公開日:2025年3月24日
令和5年度は学習指導要領に基づく2度目の小学校用教科書の採択が行われ、本年度から使用が始まった。令和6年度は、中学校用教科書も同じく2度目となる採択が行われた。新たな教科書では、学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童生徒の学習意欲が高まり理解が深められるよう改善され、数多くのデジタルコンテンツが用意されている。
本研究委員会では、令和5年度の研究報告で、新たな小学校用教科書内デジタルコンテンツの効果的な指導のあり方について実践、考察し報告書にまとめた。令和6年度は、令和7年度使用の中学校用教科書内のデジタルコンテンツの活用とそれに関連する小学校の教材やデジタルコンテンツの活用についても実践、考察しまとめることにした。(東研研究報告 No.370)