学校における教育活動・教育課題について,①教科の実践研究や授業改善,②学級経営(若手先生向けの学級づくりなど),③今日的教育課題(小中連携など)の視点から,毎年10ほどの委員会がテーマを立てて研究・開発を行い,年度末に研究報告書としてまとめています。
A4 判,毎年3〜4 月発行
発行 | 随時 |
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対象 | 小学校・中学校の先生方など |
公開日:2021年2月24日
学習指導要領の実施を迎えた小学校では,その趣旨を生かし,授業改善や学校経営の充実に力を入れて取り組んでいる学校が多くある。中学校でも移行の最終年としてその準備に忙しいことだろう。しかし,学校を構成する基本単位である「学級」づくりがおろそかになってしまっては問題である。子供の学力を伸ばし,学校としての力を高めていく土台である「学級経営力」,つまり「学級」づくりの向上の手立ては今まさに必要なことである。『若い教師のための学級づくりヒント集Ⅲ』は,月ごとの学級経営を取り上げている。現場で働く教員は毎月どのようなことを計画し,どう取り組んでいるかをそれぞれの教師の目で記述している。年間を三つに分けて,本報告書は3月から6月までを取り上げた。なぜ4月からではなく,3月からの学級づくりかは,ぜひ読んで考えていただきたい。18項目の小・中学校の事例と5本のコラムから本報告書は構成されている。(東研研究報告 No.325)
公開日:2020年4月3日
昨年度の東研研究報告書(No.312)では「主体的・対話的で深い学び」を実現する算数・数学の授業改善に向け,まず深い学びの姿を明らかにし,それを促す「主体的・対話的」で効果的な指導を探ってきた。その際,「事象を数理的に捉えて,算数(数学)の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決する過程を遂行する」数学的活動を通して取り組む必要があると考え,学習内容を統合的・発展的に考え,それを基にした創造的な学びこそ「深い学び」であると実践してきた。本研究は,新学習指導要領の実施に向け,指導と評価の一体化により「深い学び」を実現する授業改善を考えることにした。中でも,現場で大きな課題となっている「主体的に学習に取り組む態度」に焦点をあて,この評価を生かした授業改善を研究テーマに設定した。(東研研究報告 No.322)
公開日:2020年4月2日
今回改訂された小・中学校の学習指導要領では,共生の視点を踏まえた指導内容を示すことや個々の生徒の学習の困難さに応じた配慮例が示されるなど,内容の取扱いの改善策が明示されている。本研究において,インクルーシブ教育の理論を整理し,インクルーシブ体育の具体的実践に結びつけるための様々な実践事例を提示した。教師一人一人の意識・行動改革を促し,障害のある子供たちとない子供たちが共に楽しく学び合える授業づくりに役立てていただきたい。(東研研究報告 No. 321)
公開日:2020年4月1日
平成29年度から「小中一貫教育の現状と課題」を研究テーマに掲げ,先進校の実践を調査研究してきた。本冊子は研究の3年目にあたる。今年度は調査対象校を全国に拡大した。小・中学校それぞれの学校文化の違いを乗り越え,相互理解を深めながら質の高い教育実践を目指しているが,その小中一貫の教育効果の分析・評価に明確な基準はなく,それぞれの学校の評価に委ねられている。そうした中,今回の報告書に掲載した市川市教育委員会(塩浜学園)の小中一貫教育の分析・評価の試みに注視する必要があるものと考える。(東研研究報告 No. 320)
公開日:2020年3月30日
学校現場からの教育改革の推進と教職員の資質能力の向上について,以下の項目を中心に研究を深めた。(1) 「社会に開かれた教育課程」の理念のもと,令和時代における学校づくりをどのように創造するか,(2) 「教職員の働き方改革」で見えてきた昨今の課題,(3) 教職員の資質能力の向上策と主体的に授業改善に取り組む組織づくり,(4)中堅・若手教員の育成(5) Society5.0時代に向けた学校経営や教育活動の展開(東研研究報告 No. 319)
公開日:2020年3月23日
昨年度発行した『自ら「たくましく,しなやかに」成長できる力を育むために』に続く生徒指導の研究冊子である(小・中学校)。昨年度の冊子は児童・生徒指導についての基本的な考え方を中心に編集した。本年度はさらに(1)~(4)についての研究を深めた冊子になっている。子供自らが「たくましく,しなやかに」成長できる力を育むために,(1) 自己有用感を育てる学級経営を行うために,学級担任はどのような心構えが必要か。(2) キャリア教育などの課題解決的な学習をどのように工夫して進めるか。(3) インクルーシブ教育やユニバーサルデザインの考え方をどのように取り入れるのか。(4) 子供たちを支援するガイダンスやカウンセリングなどに取り組む教師の指導力をどのように高めるか。(東研研究報告 No. 318)
公開日:2020年3月17日
これまでの学級経営は,行事と授業の組み立てを考えていけば,ある程度学級は成立してきた。行事のなかで,子供たちの指導を担うことが授業へとつながっているとも言えたのである。今日の学校における子供の問題はそうはいかない。地域性や生活格差が広がっている。子供の心を開き,関係性を育てること,いわゆる学級づくりを大切にしていかなければ授業は成立しないのである。若い教師が教育に明るい未来を描き,子供たちと共に生き生きできるかどうかで教育の未来は変わっていく。悩み,苦しみ,もがき,失敗しながら歩いてきた教師の実践から,自分なりの学級づくりを進めて欲しいと願っている。『若い教師のための学級づくりヒント集Ⅱ』は,現場の疑問や質問に,教師がどう向き合い,どう取り組んでいるかの視点で取り上げた。若い教師に限らず,一度は悩んだことのあるテーマで,小学校9編,中学校10編を問題提起と回答の形で構成している。(東研研究報告 No.317)
公開日:2020年3月2日
昨年度発行した「特別な支援を必要とする児童生徒への配慮と工夫 その2」に続く研究冊子である。本年度も12の事例を取り上げ,特にデジタル教科書とタブレットを用いた事例を6事例取り上げた。各事例の構成は子どもの実態を最初に掲げ,(1)このような授業がしたい,このような力を付けたい,(2) 手だて,指導の工夫、(3)取り組んでみたら,の順で解説をした。さらに本年度は事例の最後に「関連する自立活動の内容」を示した。自立活動とは,特別支援学校学習指導要領に示されている一人一人の子どもが障害による学習や生活での困難を主体的に改善・克服しようとする取組を促す活動のことである。(東研研究報告 No.316)
公開日:2020年2月27日
児童・生徒がよりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とする道徳教育は,その目指すところは学校教育目標に位置付けられており,「特別の教科 道徳」を要として学校の教育活動全体で行うために,全体計画を作成して全教職員の共通理解のもとで,各教科及び領域等での取り組みを横断的に展開していく必要がある。「特別の教科 道徳」は,既に小・中学校とも全面実施となり,各校は新学習指導要領の趣旨を生かした道徳教育の推進が図られていることと思われるが,その重要な役割を担う全体計画・年間指導計画の作成において,どのような工夫・改善を図っていく必要があるかを整理した。また,小・中学校の実践事例については,「道徳科の質の高い多様な指導方法の特長として,「『特別の教科 道徳』の指導方法・評価等について(報告)」に例示されている下記の3点に即した授業構想について,従来の指導過程にとらわれない工夫・改善を図り,「道徳科における主体的・対話的で深い学び」につながる授業展開事例を掲載した。・ 読み物教材の登場人物への自我関与が中心の学習・ 問題解決的な学習・ 道徳的行為に関する体験的な学習
(東研研究報告 No.315)
公開日:2019年3月31日
「深い学び」は,「1 単位時間の授業の中ですべてが実現されるものではない。」とされる。今後,単元などの内容や時間のまとまりの中での「深い学び」の姿を明らかにするとともに,単元を通した指導のあり方についての研究が必要となる。また,「深い学び」と考える教材の価値や本質とは何か,児童生徒の実態や興味・関心とをどのようにつなぎ指導するか,児童生徒が「深い学び」を実感できる評価はどのようにしたらよいかなどの研究が求められる。本冊子が「深い学び」の姿や指導のあり方についての研究の契機となり,各校等での研究の一助となれば幸いである。(東研研究報告No.312)