２３号（２００８年９月号）掲載

　戦後の経済復興を支えた日本の底力は，まさに教育立国の精神によるものであるとする考え方は多くの書物の中に登場する。しかし，国の文書類に登場するのは，平成11 年9 月に文部省から出された「教育改革プログラム」に「教育立国を目指して」という題名が付けられたことが思い起こされる。
　その後，最近では平成20 年4 月18日付の中教審教育振興計画特別部会がまとめた答申は「教育立国の実現に向けて」と題して文科大臣あてに提出された。この中では，「今後の知識基盤社会において，一人一人の充実した人生と我が国社会の持続的な発展を実現するため，改めて『教育立国』を宣言することを求めた」としている。今回の閣議ではこの文言を正式に受け入れたことになる。