119号（２０２５年１月）掲載

　いじめ認知件数とは、教師や学校がいじめの事実を知った件数や、アンケート調査などでいじめを把握した数のことである。学校は教育委員会に対し、「いじめ防止対策推進法第２条１項」による解釈で、認知件数を報告している。
　これによれば、「児童生徒間で起こっている出来事」「一定の人間関係にあること」「心理的あるいは、物理的影響を与える行為をしたこと」「された側が、心身の苦痛を感じていること」という内容である。
　親切心から行った行為であっても、された側が苦痛に思えばいじめと捉えることになる。些細なことであっても、重大な結果に至ることもありうるため、いじめを広く捉えている。都道府県や市町村によって、いじめの認知件数には大きな開きがある。しかし、認知件数が多いことは、必ずしもいじめが多いというわけではない。いじめについて、積極的に把握することに努めているとも考えられる。