109号（２０２３年１月）掲載

　こども基本法は、令和４年６月22日に公布され、令和５年４月１日に施行される。「こども」を、「心身の発達の過程にある者」と定義している。こども施策の基本理念として、「児童の権利に関する条約（子どもの権利条約）」の趣旨を踏まえ、四原則「差別の禁止」「生命、生存及び発達に対する権利」「児童の意見の尊重」「児童の最善の利益」に相当する内容を規定している。こども基本法が制定される背景には、子どもに関する様々な法律によって施策が実行されてきたにもかかわらず、少子化の進行によって人口減少に歯止めがかからず、児童虐待の相談や不登校の件数が過去最高になるなど課題解決に至らないことから、子どもに関する取り組みや政策を我が国社会の真ん中に据えて、強力に進めていくことが急務であるという認識がある。