105号（２０２２年５月）掲載

　栄養教諭は、平成17（2005）年度に、食育を推進するために新たに設けられた職である。児童・生徒の食生活を取り巻く環境の変化による食生活の乱れや偏食などの問題がクローズアップされた。そこで、「食の自己管理能力」や「望ましい食習慣」を子どもたちに身につけさせる食に関する指導と、学校給食の管理の両方をつかさどる職として置かれたものである。
　従来の学校栄養職員は、学校給食の管理をしていたが、児童・生徒に指導するためには、学級担任の補佐役等の役割で指導する必要がある。それに対して、栄養教諭は、児童・生徒に家庭科や保健体育の授業の一環として栄養や食事の指導を行うことができる。栄養教諭免許取得のためには、管理栄養士免許あるいは栄養士免許に加えて、一定の教職関係の単位を取得する必要がある。
　栄養教諭は、全ての小・中学校で学校給食が行われているとは限らないことや地方分権の主旨等から、配置は地方公共団体や設置者の判断によるとされている。