104号（２０２２年３月）掲載

　地震や豪雨などの自然災害時の支援の方法には、「プッシュ型支援」と「プル型支援」がある。前者のプッシュ型支援とは、被災地の自治体からの具体的な要請を待たず、食料や仮設トイレといった必需の物資を緊急輸送する支援であり、いわば一方的にプッシュする方法である。これは、あくまでも緊急時の混乱を乗り切るための応急措置である。その反対に、緊急時を脱した後の生活に必要な物資を、被災者からの要望に応じて（を引き寄せて）支援するのがプル型支援である。
　2011年の東日本大震災では、緊急物資が十分に行き渡らなかった反省から、その後の熊本地震や中部地方の豪雨災害では、プッシュ型支援の後にプル型支援に切り替えて実施することが課題とされた。
　したがって、教育においても必須の支援と相手の要望に応じる支援の見極めが重要だとされている。