103号（２０２２年１月）掲載

　「公務災害」とは、教員などの常勤の教育公務員に事故などの災害が発生した場合、その災害が公務上の災害として認定されれば、医療費等が補償される制度である。その認定には、①職員が公務に従事し、任命権者の支配管理下にある状況で災害が発生したこと（公務遂行性）、②公務とその災害との間に因果関係があること（公務起因性）――が要件になるとされている。したがって、故意又は本人の素因によるもの、天災地変によるもの、偶発的な事故によるものなどは公務災害として認定されない。
　この制度の法的な根拠は、国家公務員については国家公務員災害補償法に、地方公務員については地方公務員災害補償法に規定されている。また、非常勤職員については、その実態に応じて労働基準法や労災保険法が適用されることとなる。