101号（２０２１年９月）掲載

　児童生徒が生き生きとした学校生活を送るためには、何よりも彼等の健康や安全が確保される必要がある。しかし、現実にはそれが困難となる事件や事故がしばしば起こる。学校管理下の負傷事故、不審者の侵入による暴力事件、自然災害に起因する死亡事故など、依然として重大な事件や事故が発生している実態がある。文科省の「学校事故対応に関する指針」は、このような課題を解決するべく、学校事故の未然防止策や事故発生時の対処要領（危機管理マニュアル）などを含めた総合的な指針である。
　その内容は、１ 事故発生の未然防止及び事故発生に備えた事前の取組、２ 事故発生後の取組、３ 調査の実施、４ 再発防止策の策定・実施、５ 被害児童生徒等の保護者への支援、――の５つの項目によって構成されている。各学校にとっては、いずれも参考にすべき必須の指針であると言える。