100号（２０２１年７月）掲載

　「こども食堂」とは，ただ単に子供が集まって食事をする場を指す言葉ではない。地域住民や自治体が主体となり，無料または低価格で子供たちに食事を提供するコミュニティの場を指す。もともと，東京都内の八百屋の店主によって，食事を十分にとれない子供たちを対象に自主的に始められたという由来があるようだ。これに子供支援団体の活動が加わって全国各地に拡大・普及してきたといわれる。
　手作りで温かい食事が格安で食べられることのほか，子供同士，親同士のコミュニケーションが可能で，帰りが遅い会社員，家事をする時間のない家族などが利用することも可能なところが多い。しかし，スタッフや会場の確保，運営費の不足等の課題もある。政府としては，食育活動の全国展開をとりまとめている農林水産省が中心となって，関係府省と協力しながら情報発信，情報提供に努めている。