９９号（２０２１年５月）掲載

　「保健室登校」は，もともと学校へは登校するが，さまざまな原因や背景により，教室には入れない児童生徒の実態から自然発生的に用いられた言葉である。
　多くの場合，一部の教員との話はできるが，教室で授業が受けられず，あるいは級友と過ごすことが困難な場合に保健室登校となりやすい。また，不登校状態から立ち直らせるステップとして，あるいは教室に入りづらい児童生徒が不登校にならないように，意図的に保健室を活用させる場合もある。近年，養護教諭らのカウンセリング・マインドに基づく優れた実践事例が多数報告されるようになった。