９０号（２０１９年１１月）掲載

　小学校では「よい子の一日」など，中学・高校では「校則」と呼ばれる学校内部の規則がある。これを校則という。内容は，家庭との連絡，出欠席，転学，編入学，進級・卒業，休学，停学，退学などの取り決めが広範囲に及んでいるが，よく話題になるのは制服や標準服・体操着の着用方法，運動靴を含む靴や靴下の指定，染髪やパーマや髪型に関わることなどがある。
　校則は学校生活に秩序をもたらし，教育の目的を達成するためのものであればよいが，ときに児童生徒の管理が第一の目的となり，児童生徒の学校生活を形式的に一律に制限することが問題となる。例えば，全国的に「天然パーマはそれを証明できる写真を届ける」「男子を挑発するのでポニーテールは禁止」「一度登録した髪型は卒業時まで変えてはならない」などが話題となったことがある。このように，児童生徒の個別的な事情を度外視した校則の適用は，しばしば人権に関わる問題を孕むことになる。