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きりつせいちょうせつしょうがい
起立性調節障害とは,自律神経失調症の一種で,OD (=Orthostatic Dysregulation)と略して呼ばれることもある。日本小児心身医学会では「たちくらみ,失神,朝起き不良,倦怠感,動悸,頭痛などの症状を伴い,思春期によくみられる自律神経機能不全の一つ」と定義されている。
ともすれば,これらの症状は本人の生活リズムの乱れが原因だと考えられたり,思春期の一時的な生理的変化であり,放置しても身体的,社会的に回復するものとみられたりしてきたが,現在では自律神経失調症状のひとつと考えられている。つまり,近年の研究による重症の事例では,自律神経による循環調節,とくに上半身や脳への血流低下が起こり,日常生活が著しく損なわれ,長期に及ぶ不登校状態やひきこもりに繋がり,学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となることが明らかにされている。