８６号（２０１９年３月）掲載

　「STEM教育」とは， Science（科学）， Technology（技術）， Engineering（工学）， Mathematics（数学）を重視した教育のことである。それぞれの頭文字をとって STEMと呼ぶ。これはオバマ大統領時代の一般教書演説の中で取り上げられた優先課題であり，日本でも注目されている。 STEM教育は，今後の経済社会が大きく成長していくための鍵となる重要な科学技術教育の分野だといえる。
　日本の教育でも，その取組が少しずつ進められている。まず，文部科学省は学習指導要領を改訂して入試制度を見直し，センター試験の改革を進めている。さらに，全国合わせて 200校以上のスーパーサイエンスハイスクール（ SSH）や国際科学技術コンテスト，科学の甲子園，グローバルサイエンスキャンパス（ GSC），次世代科学者育成プログラム，中高生の科学研究実践活動推進プログラムなどの取組が少しずつ充実し始めている。