７２号（２０１６年１１月）掲載

　「コンピュータはソフトがなければただの箱」とよく言われる。したがって，コンピュータを動かすには必ずソフトウェアが必要である。そのソフトのつくり方を小学校段階から教えようというのがプログラミング教育である。子どもたちが，コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができることは，時代を超えて普遍的に求められる力であるとする基本的な考え方に基づいている。ちなみに，文科省は2020年から小学校での「プログラミング教育の必修化」を検討すると発表している。
　この課題の浮上には，今後の国際社会においてIT関連のビジネスは拡大していくと予想される一方で，わが国ではそれに対応するIT人材の数が極端に不足するという背景がある。中学校では「技術・家庭科」の中で教えている。小学校では，プログラミングの新教科をつくるのではなく，理科や算数といった今ある教科の中に盛り込むことを検討していく方向である。