７１号（２０１６年９月）掲載

　この法律は，国連の「障害者の権利に関する条約」の批准に関する国内法の整備の一環として審議されてきた。発達障害者支援法は，自閉症やアスペルガー症候群など，学習障害を有する人を支えるための法律である。もともと議員立法で2005年に施行され，今回はほぼ10年ぶりの改正となった。
　発達障害は見た目には分かりにくいが，他人とのコミュニケーションが苦手という特性がある。また，周囲の理解が不十分なために日常生活で困ることが多く，こうした「社会的障壁」を取り除いていく必要がある。とりわけ教育面では，発達障害がある子どもが他の子どもと一緒に教育を受けられるように配慮することが求められている。また，学校が目標や取り組みを定めた個別の指導計画を作成し，いじめ防止対策や，福祉機関との連携を進めることとされている。