６７号（２０１６年１月）掲載

　これまで長く日本の学生の勉学を支えてきた「日本育英会」は，2001年度末の段階で返済が滞った分が1500億円にも膨らみ，回収の甘さが問題になっていた。これは学生の不景気による自己破産やフリーター化が進んだことなどにより，返済できない者が増えたのが根本的な原因だとされている。
　その後，小泉内閣の「特殊法人改革」によって日本育英会が廃止され，新たな独立行政法人「日本学生支援機構」に整理・統合された。それ以降，課題に応じた年金制度の改革が推進されている。
　所得連動返還型奨学金もその改革案の一つで，文字通り，将来学生が就職後の収入額に応じて返済額を決定する方式である。目下，年度内の最終案の策定に向けて鋭意検討中である。なお，奨学金制度の主務大臣は文部科学大臣で，所管課は文部科学省高等教育局学生・留学生課となっている。