６４号（２０１５年７月）掲載

　現行の小・中学校９年間の義務教育制度については，従来から４・５年生の発達上の段差や中１ギャップなどの連携や接続の在り方に大きな課題があることが指摘されてきた。これを受けて，中教審は平成17年の「新しい時代の義務教育を創造する」の答申の中で，小中一貫教育などの取組の成果を踏まえつつ，例えば，設置者の判断で９年制の義務教育学校を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化などの種々の観点に配慮しつつ十分に検討する必要があることを指摘した。
　今回の学校教育法改正案の閣議決定の中心となるのは，小中一貫校である「義務教育学校」の創設である。カリキュラムや学年の区切りは地域の実情に合わせて変更できることになっているが，教員には原則として小・中学校両方の免許が必要となり，今後の調整が必要となっている。