６０号（２０１４年１１月）掲載

　大麻やヘロインなど，薬事法などにより取り締まりの対象の編み目をくぐりぬけた薬物で，人体に多大な害をもたらす薬物のことを一般に「脱法ハーブ」（あるいは「危険ドラッグ」）と呼ばれる。それらの薬物は，法の網をくぐりぬけるために，お香，風呂用石けん，芳香ハーブなど，目的を偽装して販売されている場合が多い。また，色や形状もさまざまで，粉末・液体・乾燥植物など，見た目では分からないように巧妙に製品化されているものが多い。
　厚生労働省は平成19年から，人体への有害性を確認したうえで，取り締まりを強化する「指定薬物」制度をスタートさせていたが，主成分の化学式を一部だけを変えた「新製品」が後を絶たず，取り締まりと製品開発との「いたちごっこ」が続いているのが現状だという。