５５号（２０１４年１月）掲載

　反転授業とは，学校での基礎的な内容に関する学習と，家庭での宿題などによる練習問題の学習を逆にして反転させる授業のことである。米国では2000年代に入って急速に広がったといわれる。
　今回，佐賀県武雄市が本格実施を打ち出した反転授業は，国内ではまだ先例の少ないICT（情報通信技術）を活用した学力向上策であるが，授業の前提となる家庭学習の充実や，教師が手間と時間がかかるタブレット用の予習教材をどう準備するかといった課題もある。
　県教委の担当者は，「家庭学習を確保することが前提」としたうえで，意欲的に取り組めない子どもへの対策として，「地域の団体などに協力を求めながら，放課後学習の場を設ける」という考え方を示している。従来型の一斉授業の形態から脱却して，いかに学習の個別化を図るかが注目される。