５３号（２０１３年９月）掲載

　正しくは「いじめ防止対策推進法」という。全国各地で痛ましいいじめに関する事件が頻発するに及び，各自治体の議会でも積極的に「いじめ防止条例」を定めて対応を進めるという機運が高まっていた。このような流れを受けて国会でも議論が重ねられ，国としてこの法律案が可決・成立した。
　この法律は，国に対しては，いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための「いじめ防止基本方針」の策定を求めており，地方公共団体に対しては，国のいじめ防止基本方針に基づいてその実情に応じた「地域いじめ防止基本方針」の策定に努めるよう求めている。また，各学校に対しては，その学校の実情に応じた同様の基本的な方針の策定を求めている。
　さらに，近年のいじめの事例の反省を踏まえて，学校の設置者及びその設置する学校が講ずべきいじめ防止等の措置や，重大事態への対処の方法について規定されている。