４７号（２０１２年９月）掲載

　小・中学校の義務教育を中心とする学校種間の連携・接続の在り方には，いわゆる「中一ギャップ」などの大きな課題があることが指摘されてきた。平成17年の中教審の答申「新しい時代の義務教育を創造する」では，「義務教育の使命の明確化及び教育内容の改善」のために，設置者の判断で9年制の義務教育学校（仮称）を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化などの検討を進めることが提言された。このことの背景には，東京・品川区などの自治体を中心とする「小中一貫教育全国サミット」の取り組みがある。このサミットの研究成果の上に「義務教育学校」の創設が求められてきた。
　しかし，全国的に小中連携を進めるのがねらいであれば，「広い網がかかっている現行制度の改善や柔軟な運用等で解決できることが多いのではないか」との意見が出されるなど，確たる結論には到らず，今回の最終報告となった。