４６号（２０１２年７月）掲載

　仮に，学校が消費する電力のすべてを自然エネルギーで賄うことができるとすると，環境教育が促進され，地域社会に及ぼす効果ははかりしれないものがある。国土交通省のシミュレーションによると，その実現可能性は大きいとの結果が出ている。そこで，学校がエネルギー消費量を減らす「省エネ」と，学校で太陽光発電等を利用した「創エネ」等の技術を組み合わせて，年間のエネルギー消費を実質上ゼロにする考え方に基づいて行おうとするのが「学校施設ゼロエネルギー化」である。
　学校施設を活用して環境教育を推進し，家庭や地域の環境意識の向上につなげ，ゼロエネルギー化の対策技術をもって災害時における建物機能や室内環境の維持にも貢献できることが期待されている。