４５号（２０１２年５月）掲載

　小・中学校の一貫教育は，東京・品川区の取り組みをスタートとして，今や全国に広がりつつある。義務教育を中心とする学校種間の連携・接続の在り方に大きな課題があることは，平成17 年の中教審の答申や教育再生会議をはじめ，かねてから再三にわたって指摘されてきた。
　義務教育学校制度（仮称）は，これまでの研究開発学校や構造改革特別区域などにおける小・中一貫教育などの取り組みの成果を踏まえつつ，例えば，設置者の判断で９年制の義務教育学校を設置することの可能性やカリキュラム区分の弾力化など，学校種間の連携・接続を改善するための仕組みについて種々の観点から検討されている制度である。この制度によって，いわゆる「中１ギャップ」の問題の解消や，小４～５年生の発達の段差に対応する柔軟なカリキュラムの編成などによって，義務教育の使命の明確化や教育内容の改善を図ろうとするものである。