４３号（２０１２年１月）掲載

　大地震をはじめとするさまざまな天災地変に対する調査研究の成果を，児童生徒をはじめ国民のすべてに正しく理解されてはじめて被害を軽減することができる。したがって，児童生徒の安全の確保については，各学校において，教育課程の中に災害に対する安全確保のための指導計画が適切に組み込まれなければならない。それらの内容，方法，計画を包括して「防災教育」という。
　東日本大震災の発生以来，内閣府や国土交通省においてはさまざまな情報を提供しており，文部科学省においても防災教育支援モデル地域事業の研究成果を公開している。
　その中で，神戸などの大震災を体験した地域における豊富な蓄積を活かし，既存の防災教育教材やプログラムに関する情報整理を行い，防災科学技術を活用して新たな教材等を開発した例が紹介されている。また，最近では，今回の震災の津波に対して，冷静沈着に対応した岩手県釜石市の小・中学校の児童生徒の例が話題となっている。