研究報告書を紹介しています。
公開日:2026年3月30日
1人1台端末やクラウド環境といったデジタル学習基盤を活かした授業改善は重要なテーマであり、各地で様々な実践が試みられている。また、中央教育審議会答申が示す「令和の日本型学校教育」の実現へ向けて、個別最適な学びや協働的な学びの一体的な充実を目指した授業実践が各地で展開されている。
学習者主体の学びには教師の意図的な授業デザインが欠かせず、特に児童生徒に対して教師がどのようなフィードバックを与えるか、児童生徒同士が互いにどのようにフィードバックを与え合うかは学びの深まりにも直結する重要な視点である。
本研究では、どのような場面やタイミングでフィードバックを行うことが有効なのか、どのような手段を用いることが効果的なのかについて事例を基に検討することとした。現職の小・中学校の教員6名に研究員を委嘱し、研究目的を達成するためのテーマを各自が設定してフィードバックの工夫および授業デザインを行った。(東研研究報告 No.379)
公開日:2026年3月30日
本研究委員会では令和2年度から「『主体的な学び』を実現する算数・数学の授業づくり」を研究テーマに、毎年度、新たなアプローチから研究に取り組んできた。
本年度は、これまでの研究を踏まえ、「主体的に学ぶ」ためには問題の解決や学習過程において振り返り「問い」をもち、その「問い」を基に次の段階に進むことが大切であり、そこに問題を解決したり学習を進めたりする意欲が喚起され、高まると考え、副主題を「教材による問いの本質と連続性を踏まえて」とした。つまり、より教材の本質を追究できるような「質の高い問い」をもたせること、主体的に問題に関わり解決できるような「問いをつなぐ」こと(問いの連続性)を考え、授業づくりのため 6 つの手立てを講じて授業実践に取り組んできた。
小学校4事例、中学校2事例の計6事例を取り上げた。(東研研究報告 No.377)
公開日:2026年3月30日
これまで、外国人児童への指導は、日本語能力の不足を補うことに主眼が置かれ、できるだけ早く日本語環境に適応させることが望ましいと考えられがちであった。しかし、母語の使用を制限し日本語の習得のみを急ぐ指導は、母語と第二言語のいずれも十分に伸びない、いわゆるダブルリミテッドの状態に陥る可能性があることが指摘されている。2025年文部科学省は、「文化的言語的に多様な背景を持つ外国人児童等のためのことばの発達と習得のものさし(以下、『ことばの力のものさし』)」を導入した。これは、母語での思考力や経験を含め、多角的・包括的に捉えようとする点に大きな特徴があり、今後の教科指導を考えるうえで重要な視座を提供してくれる。
研究員4名が「ことばの力のものさし」の考え方を基盤とし、子どもの実態把握、その実態把握に基づく授業実践について検討し、ねらいや流れ、方法を実践事例としてまとめ、その意義を検討する。
教科は、言語能力を育成する中核となる教科である国語科、また教科特有の学習用語の多い、算数科と理科の3教科に焦点を当てて検討することとした。また、各教科、発達段階での子どもの様子や指導の違いが見えるように、抽象的な概念操作ができるようになる前と後の低学年と高学年の事例を配置した。(東研研究報告 No.375)
公開日:2025年12月22日
本誌は,学習者用デジタル教科書の活用を中心としたICT活用に関する最新の情報についてまとめた情報誌です。2025年度より、タイトルを「GIGAスクール構想第2期を迎えて」とし、構成も一部変更しました。
タイトル変更後第2号となる今号では、福本 徹先生(国立教育政策研究所 生涯学習政策研究部 総括研究官)による巻頭言に続いて、教科書内デジタルコンテンツ等を活用した授業記録(中学校数学・中学校英語)、小学校算数の自由進度学習において、学習者用デジタル教科書を効果的に活用した実践事例、情報活用能力の今(「図書室の中の学校」プロジェクト、生成AI活用)、タブドリLive! 活用の今、海外の日本人学校におけるICT活用紹介と、多彩な情報を掲載しています。
公開日:2025年3月24日
1人1台端末やクラウド環境といったデジタル学習基盤を活かした学習者主体の学びへ向けた授業改善は重要なテーマであり、各地でさまざまな実践が試みられている。しかしながら、現在報告されている実践の多くは、どのような実践を行ったのかという結果の報告がほとんどであり、どのような過程を経てきたのか、教師はどのような足場かけを行ってきたのか、というプロセスまで詳細に分析されているものは多くはない。これらのプロセスが可視化されることはデジタル学習基盤を活かして学習者主体の学びを実現したいと考える教師にとって参考になると考えられる。
本研究の取りかかりとして、学習者主体の学びとはどのような学びなのかという目線を合わせるために、「課題(めあて)の設定」など6項目からなる「学習者主体のスケール」を開発した。また、児童生徒の学びの自走へ向けてどんな足場を用意すればよいのか、その足場はいつ外すのかといったことを捉えるために、「認知的徒弟制モデル」を用いた。そして、どの時期に、どのような支援を行ってきたのか、その際の留意点は何かについて各研究員の実践で具体的に検証した。(東研研究報告 No.371)
公開日:2025年3月24日
令和5年度は学習指導要領に基づく2度目の小学校用教科書の採択が行われ、本年度から使用が始まった。令和6年度は、中学校用教科書も同じく2度目となる採択が行われた。新たな教科書では、学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童生徒の学習意欲が高まり理解が深められるよう改善され、数多くのデジタルコンテンツが用意されている。
本研究委員会では、令和5年度の研究報告で、新たな小学校用教科書内デジタルコンテンツの効果的な指導のあり方について実践、考察し報告書にまとめた。令和6年度は、令和7年度使用の中学校用教科書内のデジタルコンテンツの活用とそれに関連する小学校の教材やデジタルコンテンツの活用についても実践、考察しまとめることにした。(東研研究報告 No.370)
公開日:2025年3月24日
外国人児童は乳幼児期から日本語母語話者と比較し、母語も第二言語である日本語も習得に不利な状況にある。しかし、言語能力はあらゆる学習の基礎であり、人格形成にも大きな影響を及ぼすことが指摘されている。特に話し言葉から書き言葉、生活言語から学習言語への移行期は母語話者においても難しさがあるが、外国人児童においては特につまずきやすい。
そこで本研究では,乳児期の語彙獲得や言語感覚、幼児期の集団の中での話し言葉、小学校での学習言語への移行、中学校でのより抽象的な概念の理解と将来への見通しといった保幼小中それぞれの時期の言葉の育ちの特徴と、その言葉の力を伸ばす外国人児童のための連続性ある日本語指導の在り方について事例を通して検討する。(東研研究報告 No.368)
公開日:2025年3月17日
本誌は,学習者用デジタル教科書の活用を中心としたICT活用に関する最新の情報についてまとめた情報誌です。2024年度より、タイトルを「GIGAスクール構想第2期に向けて」とし、構成も一部変更しました。
タイトル変更後第3号となる今号では、広瀬一弥先生(日本デジタル教科書学会 会長、亀岡市みらい教育リサーチセンター 指導主事)による巻頭言に続いて、教科書内デジタルコンテンツ等を活用した授業記録である「My Lesson Log」(小学校国語・小学校算数・小学校道徳・中学校英語・中学校書写・中学校技術)、プログラミング教育の今(小学校理科における実践紹介と、中学校技術における活用の提案)、生成AI活用の今(大阪市教委の取り組みと、大阪市立中学校における実践紹介)、リーディングDXスクール指定の学校紹介と、多彩な情報を掲載しています。
公開日:2024年3月25日
今年度は現行学習指導要領に基づく2度目の小学校教科書の採択が行われ、来年度、令和6年度から新しい教科書の使用が始まる。新たな教科書では、現行の教科書に比べ、学習指導要領の趣旨を踏まえ、児童の学習意欲が高まり理解が深められるよう改善されたデジタルコンテンツ(以下、Dマーク)が用意されている。このDマークにより、児童生徒自身が端末上で数学的活動や基礎基本の定着のための練習等をすることができる。いわば「主体的な学び」を可能とするはずだが、学校での活用はいまだに十分とは言えないようである。このような状況から、本研究委員会では、令和3年度の東研研究報告No.343で、教科書内Dマークの効果的な指導の在り方について実践、考察し報告書にまとめたが、来年度使用の新しい教科書に用意されているDマークの活用について改めて実践しまとめる必要があると考え、本報告書にまとめた。 (東研研究報告 No.364) 2024~2027(令和6~9)年度用教科書に準拠。
公開日:2024年1月29日
GIGAスクール構想により、1人1台端末と高速ネットワークが学校に整備された。2020年からの2年間は、いかに端末に慣れるか、授業にどう取り入れるのか、などが話題の中心であった。しかし今後は、これらの環境を活用して、いかに学習者中心の学びを作っていくかが重要となる。一方で、学習者主体の学びは教師のこれまでの授業観を変容させる必要もあり、難しさが伴うことが指摘されている。また、デジタル教科書やクラウドツールなど、新たな学習リソースが活用できるなかでこれらを取り入れた学びをどのようにデザインしていけばよいのかについての知見は十分ではない。そこで、我々は、研究者と現場教員とで研究チームを組織し、これまでの授業の課題点を洗い出し、その課題点に対する改善策を具体的な授業デザインの形で提案することとした(6事例)。また、実践を通じた評価を行い、授業デザインの有効性を示すことを試みた。(東研研究報告 No.363)