研究報告書を紹介しています。
公開日:2025年3月24日
1人1台端末やクラウド環境といったデジタル学習基盤を活かした学習者主体の学びへ向けた授業改善は重要なテーマであり、各地でさまざまな実践が試みられている。しかしながら、現在報告されている実践の多くは、どのような実践を行ったのかという結果の報告がほとんどであり、どのような過程を経てきたのか、教師はどのような足場かけを行ってきたのか、というプロセスまで詳細に分析されているものは多くはない。これらのプロセスが可視化されることはデジタル学習基盤を活かして学習者主体の学びを実現したいと考える教師にとって参考になると考えられる。
本研究の取りかかりとして、学習者主体の学びとはどのような学びなのかという目線を合わせるために、「課題(めあて)の設定」など6項目からなる「学習者主体のスケール」を開発した。また、児童生徒の学びの自走へ向けてどんな足場を用意すればよいのか、その足場はいつ外すのかといったことを捉えるために、「認知的徒弟制モデル」を用いた。そして、どの時期に、どのような支援を行ってきたのか、その際の留意点は何かについて各研究員の実践で具体的に検証した。(東研研究報告 No.371)
公開日:2025年3月17日
本誌は,学習者用デジタル教科書の活用を中心としたICT活用に関する最新の情報についてまとめた情報誌です。2024年度より、タイトルを「GIGAスクール構想第2期に向けて」とし、構成も一部変更しました。
タイトル変更後第3号となる今号では、広瀬一弥先生(日本デジタル教科書学会 会長、亀岡市みらい教育リサーチセンター 指導主事)による巻頭言に続いて、教科書内デジタルコンテンツ等を活用した授業記録である「My Lesson Log」(小学校国語・小学校算数・小学校道徳・中学校英語・中学校書写・中学校技術)、プログラミング教育の今(小学校理科における実践紹介と、中学校技術における活用の提案)、生成AI活用の今(大阪市教委の取り組みと、大阪市立中学校における実践紹介)、リーディングDXスクール指定の学校紹介と、多彩な情報を掲載しています。
公開日:2024年1月29日
GIGAスクール構想により、1人1台端末と高速ネットワークが学校に整備された。2020年からの2年間は、いかに端末に慣れるか、授業にどう取り入れるのか、などが話題の中心であった。しかし今後は、これらの環境を活用して、いかに学習者中心の学びを作っていくかが重要となる。一方で、学習者主体の学びは教師のこれまでの授業観を変容させる必要もあり、難しさが伴うことが指摘されている。また、デジタル教科書やクラウドツールなど、新たな学習リソースが活用できるなかでこれらを取り入れた学びをどのようにデザインしていけばよいのかについての知見は十分ではない。そこで、我々は、研究者と現場教員とで研究チームを組織し、これまでの授業の課題点を洗い出し、その課題点に対する改善策を具体的な授業デザインの形で提案することとした(6事例)。また、実践を通じた評価を行い、授業デザインの有効性を示すことを試みた。(東研研究報告 No.363)
公開日:2024年1月29日
本研究委員会では、「子ども自ら気付き、深め、高める『特別の教科 道徳』の授業」の3年目として、「特別の教科 道徳」における評価について研究を進めることにした。『学習指導要領 第3章 特別の教科 道徳』には、道徳科の評価について、「児童(生徒)の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。ただし、数値などによる評価は行わないものとする。」と示されている。道徳科の評価は、道徳科の授業における子どもの学習状況や道徳性に係わる成長の様子を適切に把握して評価することであり、そのためには、道徳科における指導と評価を一体化して考えることが重要であるとしている。本報告書には、道徳科における「指導と評価の一体化」を確実に進めるためのPDCAサイクルの確立、「特別の教科 道徳」における「指導と評価の一体化」を効果的に行うための工夫、実践事例(小学校2事例、中学校2事例)などを掲載している。(東研研究報告 No.362)
公開日:2023年3月30日
今年度の本研究委員会は、「子供自ら気付き、深め、高める 『特別の教科 道徳』の授業」研究の2年目として、『令和の日本型学校教育』(答申)に示された「個別最適な学び」と「協働的な学び」を観点として、道徳科における個に応じた指導の充実に向けた「個別最適な学び」および多面的・多角的な語り合いを活発にする「協働的な学び」とは何かを明らかにするとともに、道徳科における「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な実現を目指した指導方法についての研究を進め、道徳科授業の質的改善をさらに深めることにした。また、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な実現に向けて、授業支援アプリなどを積極的に活用した授業実践を行い、ICTの効果的な活用についても取り組むことにした。(東研研究報告 No.354)
公開日:2022年11月14日
本誌は、東京教育研究所 東北分室の教育情報誌で、地域の教育実践などをご紹介します。今回は、2021年1月号、2022年1月号、および2022年5月号に続き、「ICT 利活用」というテーマの第四弾です。最初に、広島文化学園大学教授の渡邉満先生に「令和の『日本型学校教育』で求められる道徳教育の学び」と題し、これからの道徳教育で求められるものについて綴っていただきました。加えて、小学校実践事例として、宮城県加美郡加美町立宮崎小学校 教諭 佐々木伶奈先生からタブレット端末を活用した小学校道徳の授業実践を紹介していただきました。
公開日:2022年3月28日
本委員会では「子供自らが道徳的価値に気付き、子供自らが道徳的価値についての理解を深め、子供自らが道徳的価値の自覚を高める」道徳科授業の質的改善を図る実践研究を進め、その成果と課題を報告することにした。「特別の教科 道徳(道徳科)」の目標「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」に基づき、平成29年3月の「小学校学習指導要領」及び「中学校学習指導要領」改訂の基本方針の一つである「主体的・対話的で深い学び」と関連付けている。道徳科授業におけるICTやデジタル教科書などの効果的な活用方法についても紹介する。(東研研究報告 No.340)
公開日:2020年2月27日
児童・生徒がよりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とする道徳教育は,その目指すところは学校教育目標に位置付けられており,「特別の教科 道徳」を要として学校の教育活動全体で行うために,全体計画を作成して全教職員の共通理解のもとで,各教科及び領域等での取り組みを横断的に展開していく必要がある。「特別の教科 道徳」は,既に小・中学校とも全面実施となり,各校は新学習指導要領の趣旨を生かした道徳教育の推進が図られていることと思われるが,その重要な役割を担う全体計画・年間指導計画の作成において,どのような工夫・改善を図っていく必要があるかを整理した。また,小・中学校の実践事例については,「道徳科の質の高い多様な指導方法の特長として,「『特別の教科 道徳』の指導方法・評価等について(報告)」に例示されている下記の3点に即した授業構想について,従来の指導過程にとらわれない工夫・改善を図り,「道徳科における主体的・対話的で深い学び」につながる授業展開事例を掲載した。・ 読み物教材の登場人物への自我関与が中心の学習・ 問題解決的な学習・ 道徳的行為に関する体験的な学習
(東研研究報告 No.315)
公開日:2019年3月13日
新学習指導要領では,発達の段階に応じ,答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の問題と捉え向き合う「考える道徳」「議論する道徳」への質的転換が重視されている。道徳科のねらいを達成するには,「ねらい」「児童生徒の実態」「教材や学習指導過程」などに応じて,最も適切な指導方法を選択し,工夫していくことが求められており,学習指導要領解説に7点の工夫が挙げられている。本研究報告書の「Ⅱ 道徳科指導上の課題Q&A」では,授業を構想する際に押さえておきたい9点について,Q&Aで明らかにしている。また,「Ⅲ 道徳科授業の実践提案」では,前述の指導法の工夫例に視点をあてた授業の工夫・改善を図っていくことで,児童生徒が自ら主体的に学習に取り組む授業の開発ができると考え,工夫例の七つの視点から,それぞれ3点以上の工夫を盛り込んだ指導案を作成し,授業実践を通してその効果等について明らかにすることとした。(東研研究報告 No.304)
公開日:2018年3月19日
若い先生方に読んでいただきたいと思って授業改善ヒント集を作成し続けてきたが,その第5集である。 第4集では「朝の会」や「帰りの会」といった一見授業に関わりのなさそうに見える内容やモジュール学習も取り上げた。第5集はさらに目次をカテゴリーで分け,小道徳,英語の事例も取り入れた。東研・特別課題シリーズ68(No.296)東京教育研究所