研究報告書を紹介しています。
公開日:2024年1月29日
「探究的な学び」を推進することは、学習指導要領の趣旨を踏まえて、主体的・対話的で深い学びを視点とした授業への改善や、より汎用性のある資質・能力の育成に効果的である。また、「教科等横断的な学び」や「カリキュラム・マネジメント」の推進についても同様である。今後、教科指導を含めた全教育課程で推進していくためには、校長のマネジメントが重要であり、校内研究等を中心に、教員の意識や校内体制を改善していくことが求められる。「探究的な学び」や「教科横断的な学び」、「カリキュラム・マネジメント」に関して先進的な取組を行っている東京都内の公立小・中学校5校の校長に研究員を委嘱し、できるだけ具体的・実践的で、最新の取組を紹介できるようにした。(東研研究報告 No.356)
公開日:2024年1月29日
本研究のテーマを「子どもにとって魅力ある学校づくりへの挑戦〜不登校に関わる問題 を改善する教育活動〜」とした。元気な子どもは「動きたい」「表現したい」「活動したい」等などと「何かやりたい」と強く願っている。活気をもっている子どもは「学びの力」が備わっているのではないだろうか。一方、昨年度の研究において、自ら行動する力を失い、生活に活力を感じにくい子どもは、学ぶことに喜びを感じにくいことが見えてきた。 今回の研究推進の基盤として、子どもが活動する前や活動しながら抱く不安感をできるだけ和らげ、自分の力を思いきり発揮できる学習環境づくりについて模索する。そこでは、研究員の実践を「子どものペース」「子どものねがい」「子どものタイミング」の三つの視点で振り返り、子どもが安心して自分の力を表現できるための実践となっているのか検証した。小中学校6名の研究員による教育実践である。学びの原点は彼ら自らがもっている価値(存在価値)に気づかせることだと考える。私たち大人はあらゆる角度から、子どものねがいや思いを深く探り、彼らが自ら進んで表現できる学びの機会をつくり出す方策を探求しなければならない。 (東研研究報告 No.360)
公開日:2024年1月29日
東日本大震災から13年を迎える。大震災以降、防災教育の重要性がより一層高まり、全国各地の学校で意欲的にその実践が展開されてきた。一方で、令和5年度の中学生は、幼かったため、震災時の記憶がほとんどなく、小学生は、1〜6年の児童全てが大震災以降に産まれているといった状況となる。また、日本では大震災後も地震、大雨による洪水や河川氾濫など、毎年のように大きな自然災害に見舞われている。このような様々な大規模自然災害を自分ごととして捉え、児童生徒が自らの行動で生命・安全を守れるように学校や自治体が指導することは、最も重要な役割の一つである。大震災後、この約10年間の防災教育の内容を振り返り、取り組み方の変化の様子(改善点や工夫点)などに焦点を当て、今後の防災教育の在り方を探っていく。防災教育に関心のある全ての学校関係者が、これまでの被災の体験を風化させることなく、「これからの防災教育」推進の手がかりの一助となることを願っている。(東研研究報告 No.359)
公開日:2024年1月29日
校長が学校経営方針に基づき、自校の教育活動の改善を具現化し、実践的に展開するための基盤となるのが「校内研修」である。本書においては、「校内研修」の機能を【教育課題への理解と課題解決に向けた意欲向上の視点】、【組織の活性化の視点】、【人材活用・育成の視点】、【研修成果の児童生徒への還元の視点】から捉えた。そして、今日的教育課題の中から、校種や教育内容を考慮し、次のような研修(取組)を取り上げた。①小学校共通の課題である学習指導の改善の取組、②中学校において充実が求められる「道徳教育」の取組、③多様な教育の支援を必要とする児童生徒への「特別支援教育等」の取組、④小・中学校の生徒指導上の喫緊の課題である「いじめの未然防止」の取組、⑤実効性を求められる「学校安全」の見直し・改善の取組。本書が各学校において「校内研修」を計画・実施するに当たり、参考としてご活用いただけることを願っている。(東研研究報告 No.357)
公開日:2023年4月 1日
本研究報告書は、令和の日本型学校教育実現を目指して「組織運営」と組織を支える「人材育成」をテーマとし、自校の教育活動をアップデートしていくための学校の組織運営改善と、教師の資質・能力を高めるための人材育成に向けた校長としての英断とリーダーシップのあり方を紹介することによって、各学校における学校経営の充実・発展に寄与することを目的とする。また、「組織運営」「人材育成」の観点から計6点の視点を設定し、この6点の視点ごとに、学校経営全般の中で事例を基にその成果や課題を執筆いただくよう6人の校長に依頼した。教師の世代交代を乗り越え、学校が学習指導要領の主旨を踏まえて令和の日本型学校教育の具現化を目指した取り組みをさらに進めていくことを期待したい。(東研研究報告 No.345)
公開日:2023年4月 1日
本年度の研究報告書は、昨年度の成果と課題を引き継いで、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」(以下、「本答申」とする)の具現化に向けた研究に取り組んだ。「個別最適な学び」と「協働的な学び」に関して先進的な取組を行っている東京都内の公立小学校6校の校長に、できるだけ具体的・実践的で、最新の取組についてご紹介いただいた。また、監修者・研究委員長として、國學院大學の田村学教授にご指導いただいた。(東研研究報告 No.344)
公開日:2023年3月29日
本研究委員会では、平成29(2017)年度から「小中一貫教育の現状と課題」を研究テーマに掲げ、先進校の実践を調査研究し、主に特色ある教育課程の編成や小中一貫教育校の学校運営について研究を進めてきた。今年度の調査研究については、本年4月より全国の小学校において、様々な形ではあるが、高学年での教科担任制が導入された。この導入に先がけて、小中一貫教育を推進する義務教育学校においては、小中の教職員が入り合って教科担任制を導入している学校を探し、その連携推進の実態を調査し、教育効果等を明らかにしたいと考えた。そこで、小学校で先進的に教科担任制を推進している学校を優先的に調べ、新たな取組に積極的に挑戦している特色ある小中一貫教育校7校を調査し、報告書にとりまとめた。(東研研究報告 No.351)
公開日:2023年3月29日
令和3年7月、中央教育審議会初等中等教育分科会に「幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会」が設置され、幼児教育の質的向上及び小学校との円滑な接続について審議が行われている。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が示され、幼保小間の交流行事や、小学校でのスタートカリキュラムの実施が進んでいるものの、形式的な連携にとどまっているのではないかといった課題が指摘されている。本研究では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に着眼して、子供の活動における具体的な子供の姿を通して見える化し、幼児期に育まれた力が小学校教育にどのようにつながっているのかを共有することで、幼児教育の成果を小学校教育の質の向上につなげたいと考えた。(東研研究報告 No.350)
公開日:2023年3月29日
2022(令和4)年度から、授業の質の向上、教育活動の充実や教師の負担軽減、複数教師による多面的な児童理解、小学校から中学校への円滑な接続を図ることなどを目指し、公立小学校の高学年で教科担任制が導入された。小学校における教科担任制の取組については、高学年段階を中心にして各地域や学校の実情に応じて多様な実践が行われている。なかには自治体が中心となって20年以上取り組んでいる地域もあり、また、専科教員による一部教科担任制が定着している学校も多くある状況である。本研究では、宮城県におけるこれまでの実践の取組を振り返るとともに、宮城県内の現在の実践校の日々の取組の様子を紹介する。そして、今後の教育界の一つの方向性を見出し、個に応じた指導の充実を図り、9年間を見通した指導に役立てていけるようにするための手がかりをつかめればと考える。(東研研究報告 No.348)
公開日:2023年3月27日
新型コロナウイルスの感染拡大により、学校教育を取り巻く環境は大きく変わった。生徒1人1台の端末の整備、オンライン・オンデマンド授業の実施などである。一方、「学校と家庭・地域の連携・協働」については、単なるスローガンになっていないだろうか。このような状況だからこそ、義務教育の学校経営の肝とも言える学校と家庭・地域の連携・協働について、「不易と流行」の視点から見直す必要があるのではないかと考えた。本報告書では、成果が上がっている事例や課題として残っている事項に基づき、これからの時代の学校と家庭・地域の連携・協働の在り方について、「提言」という新たな形で示すことにした。加えて、「求められる校長のリーダーシップ」という項目を起こし、昨年度までの研究グループの「学校経営の一助となる有効的・効果的な研究成果を発信する」というコンセプトを引き継ぐことにした。本報告書が各学校の研究や各種研修会等で活用されることを切に願っている。(東研研究報告 No.349)