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東京教育研究所の概要

所長からのご挨拶

研究報告書:小学校・中学校ごとに、各教科等の研究報告書を紹介しています。 研究報告書:小学校 研究報告書:中学校

所長からのご挨拶


未来をリードする教育の創造

東京教育研究所所長 藤井斉亮
東京教育研究所所長 藤井斉亮




研究所の役割

東京教育研究所は、教科書の編集に必要な基礎資料を得ること主たる目的として昭和28(1953)年に設立されました。教科書は、子供たちが日々直接手に取るまさに主たる教材です。教科書の質が教育の質を左右すると言っても過言ではありません。少しでもより良い教科書を学校現場に届けるために、本研究所は教科書の編集に必要な基礎研究を継続的に行い、その成果を教科書に反映させてきました。

この基本姿勢は今後も変わりありませんが、本研究所は「未来をリードする教育の創造」を研究テーマの根幹に据え、喫緊な課題から継続的で長期に渡る研究が必要な課題まで、様々な研究課題に取り組んでいます。なぜなら、学校教育現場は様々な課題に日々直面しており、しかもその一つ一つの課題が複雑化・困難化している実態があります。

そのようななかで、児童生徒の学びを質・量両面から向上させるにはどうすればいいのか。これまでどおり学校の工夫だけにその課題解決の実現を委ねることは困難になってきている現状を少しでも改善したいというのが本研究所の願いです。

本研究所で行う研究は、学校教育現場の先生方へ少しでもより良い教育の実現に向けた実践知を届けたいという思いが原動力となっています。本研究所設立当時の理事の一人であった柳田國男は、「学問は結局、世のため、人のためでなくてはならない」という言葉を残しています。本研究所における研究は、児童生徒のため、教師のため、学校現場にかかわるすべての人々のために行っているのです。

これからも研究の成果を活かし、児童生徒の学びを質・量両面から向上させるための有用な情報を学校教育現場に提供していきます。本研究所の役割は、端的に言えば、学校教育現場へ有用な情報を提供することだからです。

研究組織

本研究所は、研究組織を下記のように編成し、研究を進めています。

学校経営部会

この部会では、学校経営について多くの成果を残し、とりわけ「現代学校経営シリーズ」は全国的に高い評価をいただいています。同シリーズの研究冊子は、国立国会図書館より「国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)」に基づき、文化財の蓄積及びその利用に資することを目的とし、同法に定められた納本制度に基づいて国内刊行出版物の収集の要請を受け、寄贈させていただいています。また、年に3回(4月、9月、1月)発行の「東研情報 小・中学校 学校経営」なども学校経営の課題に即したテーマを取り上げ、経営に資する実践事例などを紹介しています。


教員研修部会

この部会では、小学校・中学校の教員研修に関わる教育課題を取り上げ、その成果を研究冊子にまとめて年度末に発行しています。教科の学習指導・授業改善における課題や学級の運営に関わる諸課題に資するテーマを設定して教育実践の場に密着した研究を行い、成果を上げています。


研究開発部会

この部会では、新しい教育課題を先進的に取り上げて研究を行い、その成果を研究冊子にまとめて年度末に発行しています。そのときどきの教育界の動向と各小学校・中学校が対応しなければならない課題、新教育課程への対応やカリキュラム開発など、取り上げる課題の範囲は多岐にわたりますが、将来に向けた新しい教育に資する研究を行い、成果を上げています。


上記の研究組織は、前所長、谷川彰英先生の構想に基づいています。谷川彰英先生は本研究所の研究目的について、以下のように述べておられます。

教育という営みは次世代を創るというところに本質があります。それは人類が発生して以来、変わらない事実です。社会の変化のつけを負わされるのではなく、教育が次の世代の社会、言い換えれば「未来」を創っていく機能を持っていると言うことができます。教師は、その貴重な役割を負っているのです。

「未来をリードする教育の創造」というテーマには、このような思いが込められています。ところが、残念なことに、1990年頃からは、むしろ社会の動きの後追いになっているように思えてなりません。それは、どうやら日本の社会があらゆる面で閉塞状況に追い込まれてきた経緯と重なってきます。

私たち教育に携わる者は、いま一度、原点に立って、教育の本質を見直し、教師の仕事への誇りを取り戻すことが必要です。