１３号（２００７年１月）掲載

　児童生徒の不登校や問題行動の要因は様々であるが，特に近年では，ストレスや不満を抱え込み，その抑制が利かずに衝動的な問題行動を起こす事例が多発している。これにより文科省は，かねてより全国の公立中学校（約１万校）を対象に，スクールカウンセラーの派遣を行ってきた。この事業は，問題行動の予防・発見・解消だけでなく，保護者や教員の意識や指導方法にもよい影響を及ぼすとの評価が得られている。また，近年では大きな災害や犯罪に対する児童生徒の心のケアの必要性が増していることから，平成18年度においても引き続き中学校を中心にしてスクールカウンセラーを配置し，国家予算は42億円余にのぼっている。
　文科省は，今後もスクールカウンセラーの他に「子どもと親の相談員」や「生徒指導推進協力員」の制度の拡充も図る方針である。