８８号（２０１９年７月）掲載

　「大学修学支援法」は略称で，正式には「大学等における修学の支援に関する法律」という。真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し，社会で自立し，及び活躍することができる人材の育成を目的にした支援等を定めた法律である。安倍内閣が掲げる「子育て支援策」や「少子化対策」の一環として2019年５月10日に成立した。
　支援の内容は，住民税が非課税の世帯（世帯年収 270万円未満）とそれに準ずる世帯の学生に対して授業料が減免される。ただし，文部科学省が設ける要件を満たす大学，短期大学，高等専門学校，専門学校でなければならず，また，授業料減免の上限は国公立大が年間 54万円，私立大が同 70万円。給付型奨学金は国公立大の自宅生が年間 35万円，私立大に自宅外から通う学生は同 91万円などとなっている。なお，この財源は消費税率 10%への引き上げ分が充てられ，2020年度から施行される。