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東京教育研究所について
未来をリードする教育の創造
東京教育研究所所長
奈須正裕
東京教育研究所は、教科書の編集に必要な基礎資料を得ることを主たる目的として昭和28(1953)年に設立されました。学習指導要領に「試案」の文字が付されていた昭和26年版の時代であり、昭和22年の新制中学の発足なども含め、戦後日本の教育をどうすべきか、その中で教科書はどうあるべきか、まだまだ模索が続いていた頃のことです。 設立当時の理事であった柳田國男は「学問は結局、世のため、人のためでなくてはならない」という言葉を残しています。よりよい教科書の提供を通して、よりよい教育の実現を支え、そこで学び育った子どもたちによる、よりよい社会建設の一助となりたい。そのために研究を推進する。時代は移り、学校や子どもを取り巻く状況も大きく変化しましたが、このような使命感の下、本研究所は70年以上の時を重ねてきました。 この基本姿勢は今後も変わりませんが、今日の本研究所は「未来をリードする教育の創造」を研究テーマの根幹に据え、喫緊の課題から長期にわたる取組が必要な課題まで、様々な研究課題に取り組んでいます。その背景には、学校を巡る課題がいっそう複雑化、高度化し、あるいは深刻さの度合いを高めているという実情があります。 社会に開かれた教育課程が求められ、一人一台の情報端末が学校教育のスタンダードとなるなど、学校における学びの基盤が変化する中、もはや学校の工夫や自助努力だけでは、すべての課題への対処は困難になってきています。このような現状を少しでも改善したいというのが、本研究所の願いです。 これからも研究の成果を活かし、子どもたちの学びを質的に向上させるのに有用な情報を学校現場に提供していきます。本研究所の役割は、端的に言えば、学校現場が抱える課題を共有し、研究を通して有用な情報を提供することだと考えるからです。
本研究所は、研究組織を下記のように編成し、研究を進めています。
この部会では、学校経営について多くの成果を残し、とりわけ「現代学校経営シリーズ」は全国的に高い評価をいただいています。同シリーズの研究冊子は、国立国会図書館より「国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)」に基づき、文化財の蓄積及びその利用に資することを目的とし、同法に定められた納本制度に基づいて国内刊行出版物の収集の要請を受け、寄贈させていただいています。
この部会では、小学校・中学校の教科等の学習指導・授業改善における課題に資するテーマを設定して教育実践の場に密着した研究を行い、その成果を研究冊子にまとめて年度末に発行しています。
この部会では、新しい教育課題を先進的に取り上げて研究を行い、その成果を研究冊子にまとめて年度末に発行しています。そのときどきの教育界の動向と各小学校・中学校が対応しなければならない課題、新教育課程への対応やカリキュラム開発など、取り上げる課題の範囲は多岐にわたりますが、将来に向けた新しい教育に資する研究を行い、成果を上げています。
この部会では、学校が課題としている学校経営、ICT教育について教育実践の場に密着した研究を行い、その成果を機関誌にまとめています。
上記の研究組織は、前所長、谷川彰英先生の構想に基づいています。 谷川彰英先生は本研究所の研究目的について、以下のように述べておられます。
教育という営みは次世代を創るというところに本質があります。それは人類が発生して以来、変わらない事実です。社会の変化のつけを負わされるのではなく、教育が次の世代の社会、言い換えれば「未来」を創っていく機能を持っていると言うことができます。教師は、その貴重な役割を負っているのです。 「未来をリードする教育の創造」というテーマには、このような思いが込められています。ところが、残念なことに、1990年頃からは、むしろ社会の動きの後追いになっているように思えてなりません。それは、どうやら日本の社会があらゆる面で閉塞状況に追い込まれてきた経緯と重なってきます。 私たち教育に携わる者は、いま一度、原点に立って、教育の本質を見直し、教師の仕事への誇りを取り戻すことが必要です。
未来をリードする
教育の創造
東京教育研究所所長
奈須正裕
研究所の役割
東京教育研究所は、教科書の編集に必要な基礎資料を得ることを主たる目的として昭和28(1953)年に設立されました。学習指導要領に「試案」の文字が付されていた昭和26年版の時代であり、昭和22年の新制中学の発足なども含め、戦後日本の教育をどうすべきか、その中で教科書はどうあるべきか、まだまだ模索が続いていた頃のことです。
設立当時の理事であった柳田國男は「学問は結局、世のため、人のためでなくてはならない」という言葉を残しています。よりよい教科書の提供を通して、よりよい教育の実現を支え、そこで学び育った子どもたちによる、よりよい社会建設の一助となりたい。そのために研究を推進する。時代は移り、学校や子どもを取り巻く状況も大きく変化しましたが、このような使命感の下、本研究所は70年以上の時を重ねてきました。
この基本姿勢は今後も変わりませんが、今日の本研究所は「未来をリードする教育の創造」を研究テーマの根幹に据え、喫緊の課題から長期にわたる取組が必要な課題まで、様々な研究課題に取り組んでいます。その背景には、学校を巡る課題がいっそう複雑化、高度化し、あるいは深刻さの度合いを高めているという実情があります。
社会に開かれた教育課程が求められ、一人一台の情報端末が学校教育のスタンダードとなるなど、学校における学びの基盤が変化する中、もはや学校の工夫や自助努力だけでは、すべての課題への対処は困難になってきています。このような現状を少しでも改善したいというのが、本研究所の願いです。
これからも研究の成果を活かし、子どもたちの学びを質的に向上させるのに有用な情報を学校現場に提供していきます。本研究所の役割は、端的に言えば、学校現場が抱える課題を共有し、研究を通して有用な情報を提供することだと考えるからです。
研究組織
本研究所は、研究組織を下記のように編成し、研究を進めています。
学校経営部会
この部会では、学校経営について多くの成果を残し、とりわけ「現代学校経営シリーズ」は全国的に高い評価をいただいています。同シリーズの研究冊子は、国立国会図書館より「国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)」に基づき、文化財の蓄積及びその利用に資することを目的とし、同法に定められた納本制度に基づいて国内刊行出版物の収集の要請を受け、寄贈させていただいています。
教科等研究部会
この部会では、小学校・中学校の教科等の学習指導・授業改善における課題に資するテーマを設定して教育実践の場に密着した研究を行い、その成果を研究冊子にまとめて年度末に発行しています。
教育課題部会
この部会では、新しい教育課題を先進的に取り上げて研究を行い、その成果を研究冊子にまとめて年度末に発行しています。そのときどきの教育界の動向と各小学校・中学校が対応しなければならない課題、新教育課程への対応やカリキュラム開発など、取り上げる課題の範囲は多岐にわたりますが、将来に向けた新しい教育に資する研究を行い、成果を上げています。
東研情報部会
この部会では、学校が課題としている学校経営、ICT教育について教育実践の場に密着した研究を行い、その成果を機関誌にまとめています。
上記の研究組織は、前所長、谷川彰英先生の構想に基づいています。
谷川彰英先生は本研究所の研究目的について、以下のように述べておられます。
教育という営みは次世代を創るというところに本質があります。それは人類が発生して以来、変わらない事実です。社会の変化のつけを負わされるのではなく、教育が次の世代の社会、言い換えれば「未来」を創っていく機能を持っていると言うことができます。教師は、その貴重な役割を負っているのです。
「未来をリードする教育の創造」というテーマには、このような思いが込められています。ところが、残念なことに、1990年頃からは、むしろ社会の動きの後追いになっているように思えてなりません。それは、どうやら日本の社会があらゆる面で閉塞状況に追い込まれてきた経緯と重なってきます。
私たち教育に携わる者は、いま一度、原点に立って、教育の本質を見直し、教師の仕事への誇りを取り戻すことが必要です。